東京地方裁判所 平成4年(特わ)400号 判決 1992年7月28日
本店所在地
東京都大田区蒲田一丁目七番一〇号
株式会社サトーエンタープライズ
(代表者代表取締役 佐藤尚武)
本籍
同区南久が原一丁目一八番
住居
同所一八番一号
会社役員
佐藤尚武
昭和一八年九月一四日生
主文
被告人株式会社サトーエンタープライズを罰金二、五〇〇万円に、被告人佐藤尚武を懲役一〇か月に処する。
被告人佐藤尚武に対し、この裁判の確定した日から三年間刑の執行を猶予する。
理由
(犯罪事実)
被告人株式会社サトーエンタープライズ(平成元年八月二九日以前の商号は、株式会社サトー物産。以下、「被告会社」という。)は、東京都大田区蒲田一丁目七番一〇号(同年九月五日以前は、同区大森西四丁目一七番一三号)に本店を置き、健康器具の製造及び販売等を目的とする資本金一、〇〇〇万円(昭和六三年六月三日以前は三〇〇万円)の株式会社であり、被告人佐藤尚武(以下「被告人」という。)は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括していた。被告人は、被告会社の業務に関し、その法人税を免れようと考え、売上げの一部を除外するなどの方法により所得の一部を隠して、
第一 昭和六二年一〇月一日から昭和六三年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億九、七一一万五、七八一円であった(別紙1修正損益計算書参照)のに、昭和六三年一一月三〇日、同区中央七丁目四番一八号にある所轄の大森税務署において、税務署長に対し、その所得金額が九、八一四万八、一八一円で、これに対する法人税額が三、七七一万三〇〇円であるという虚偽の内容の法人税確定申告書(平成四年押第六九七号の1)を提出した。そして、そのまま法定の納期限を経過させた結果、この事業年度における正規の法人税額七、九二四万三、七〇〇と申告税額との差額四、一五三万三、四〇〇円(別紙2税額計算書参照)を免れた。
第二 昭和六三年一〇月一日から平成元年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億四、五六七万二、九一九円であった(別紙3修正損益計算書参照)のに、平成元年一一月二四日、同区蒲田本町二丁目一番二二号にある所轄の蒲田税務署において、税務署長に対し、その所得金額が四、五五二万七、五一九円で、これに対する法人税額が一、七一一万七、三〇〇円であるという虚偽の内容の法人税確定申告書(同号の2)を提出した。そして、そのまま法定の納期限を経過させた結果、この事業年度における正規の法人税額五、九一六万三、七〇〇円と申告税額との差額四、二〇四万六、四〇〇円(別紙4税額計算書参照)を免れた。
第三 平成元年一〇月一日から平成二年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が七、八四九万四、四八五円であった(別紙5修正損益計算書参照)のに、平成二年一一月三〇日、蒲田税務署において、税務署長に対し、その所得金額が四、〇一三万九、六三六円で、これに対する法人税額が一、四四八万四、一〇〇円であるという虚偽の内容の法人税確定申告書(同号の3)を提出した。そして、そのまま法定の納期限を経過させた結果、この事業年度における正規の法人税額二、九八二万二〇〇円と申告税額との差額一、五三三万六、一〇〇円(別紙6税額計算書参照)を免れた。
(証拠)
全事実について
1 被告人の
<1> 公判供述
<2> 検察官調書二通
2 諏訪誠の検察官調書(検察官請求証拠番号11の同意部分、12)
3 牧野仁一の検察官調書(同意部分)
4 当期総売上高調査書、給料調査書、雑費調査書、役員賞与損金不算入調査書、事業税認定損調査書
5 商業登記簿謄本
第一の事実について
6 支払手数料調査書、役員退職金損金不算入調査書
7 法人税確定申告書一袋(平成四年押第六九七号の1)
第二の事実について
8 雑収入調査書
9 法人税確定申告書一袋(同号の2)
第三の事実について
前記8の証拠
10 受取利息調査書、損金の額に算入した道府県民税利子割調査書
11 法人税確定申告書一袋(同号の3)
(法令の適用)
罰条
被告会社について いずれも法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項(情状による)
被告人について いずれも同法一五九条一項
刑種の選択
被告人について 懲役刑
併合罪の処理 刑法四五条前段
被告会社について 刑法四八条二項(各罪の罰金額を合算)
被告人について 刑法四七条本文、一〇条(犯情の最も重い第二の罪の刑に加重)
刑の執行猶予
被告人について 刑法二五条一項
(出席した検察官蝦名俊晴、弁護人山田宰)
(裁判官 朝山芳史)
別紙1 修正損益計算書
<省略>
別紙2
税額計算書
<省略>
別紙3 修正損益計算書
<省略>
別紙4
税額計算書
<省略>
別紙5 修正損益計算書
<省略>
別紙6
税額計算書
<省略>